歯医者さんでのクリーニングだけでも歯が明るくなる?
私の勤めている歯科医院に来る患者さんで、歯の着色が気になる方にはPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニングの意味です)またはクイックジェットをおこなっています。
クイックジェットとは、水と塩の粒子パウダーを歯に吹き付けて煙草のヤニやコーヒー、紅茶などの着色をとるものです(下の画像)。
それにより、歯の黄ばみが改善される方は7割程みえます。シェード的には、2トーンほど明るくなることも。
この7割の方は、目に見てわかる茶色いヤニや着色がとれて喜ばれています。鉛筆でかいた文字を消しゴムで消すようなものです。
ただ、オフィスホワイトニングとは違い、歯の表面上の黄ばみや着色のみしかとれないので、歯自体に長期にかけてしみこんだ黄ばみは落としきることができないのです。
なので、残りの3割の方は、オフィスホワイトニングによって白くしないと実感できないです。
もちろん、改善された7割の方の中にも、歯自体のトーンが気になるようになり、その後オフィスホワイトニングされる方もいますね。
”また、差し歯などの着色も落ちるの?”という質問をうけることがあります。
もちろんPMTCやクイックジェットで着色は落ちます。ただ、この場合の着色は、先ほど説明したものと同様、表面上の汚れのみです。
特に保険で作った差し歯の場合は自費のセラミックなどとは違い、色を吸収しやすいです。
理由は、レジンと呼ばれるプラスチック樹脂が使用されているからです。陶器より、プラスチックのほうが変色、劣化が早いのと同じですね。
なので、オフィスホワイトニングの際も、差し歯の部分は基本的に保護をしてホワイトニング剤を塗布しません。
実際に黄ばみが気になるので、着色を落としたいという、すべての前歯に煙草のヤニがありA7前後のシェードの患者さんがみえました。
通常ならクイックジェットを行いほとんどのヤニが落ちたのですが、長年煙草を吸っていたということで、落としきれない黄ばみが歯の内部にしみ込んでいました。
なので、1週間後にオフィスホワイトニングで再来院され、全部で1か月3回のホワイトニングを行って、見事A7からA2に変わりました。
(シェードガイド)
しかし、上の前歯2本が差し歯になっているためそこだけは着色が他と比べると濃く目立ってしまいました。
そちらに関しては、10年前に入れられたものということもあり、歯茎も下がり合いが悪く根面の虫歯にもなりかねなかったため型取りをして新しい差し歯を作ることになりました。
その際の差し歯の色はホワイトニング後の周りの天然歯に合わせて作らさせていただきました。結果的に、とても白い前歯になり喜んでもらえました。
このように、ホワイトニングのみで着色が落としきれるわけではありません。個人個人にあった最適な治療法がありますので相談しながらホワイトニングを進められることをおすすめします!