自分で行う”セルフホワイトニング”は危ない? 結構大変だった失敗例
今回はこんな事例紹介
私が勤めていた歯医者に訪れた患者様で、間違った着色の落とし方をしている人がいました。
その患者さんは40代の男性で、たばこをよく吸うためヤニがあるのを娘さんに指摘されて歯医者に行く暇がなかったため、”ショック”で自分流でしたようでした。
方法は、まさかの激落ちくん!(掃除用の)でした。来院された時ヤニはまだらについており、確かに汚れは落ちるということだったのですが、だんだん歯全体がしみてきたということでした。
対処として、まずは、気になっていたヤニをクイックジェット(専用のパウダーを吹き付けることで表面の着色を取る方法)で落としました。その後、MSコート(知覚過敏に塗布する薬)とボンディング剤を塗布してLEDライトを当てて経過をみることにしました。
(MSコート)
さいわい、しみてきてすぐ来院されたので塗布薬のみで改善されましたが、誤ったまま使い続けると歯に詰め物や被せものをしないとしみるのが治らない場合もあります。
今回は、掃除用の劇落ちくんを使ったことでエナメル質を削り、象牙質に歯の表面が近づいたために起こったものでした。
ホワイトニングセミナーで聞いたところ、市販で売られている歯の消しゴムも(激落ちくんよりは安全ですが)、歯科で取り扱っている歯専用の消しゴムより荒く作られているため長期に渡り自己判断で使用するのは危険です。
荒くて削り取るように作られているので、一見とても汚れが落ちて効き目があるように思えますが、ゴシゴシと力をいれて使用すると歯のエナメル質でさえも削ってしまう恐れがあります。
私もこの患者さんが初めてでしたが、歯医者にくる時間がないからと自己判断で汚れが落ちそうなものを使用するのは危険だと実感。
他にも、歯の間の着色が気になったのでやすりで削ったら落ちました、という患者様も見えました。確かに落ちますが、歯を自分で削っているので、考えたら危険な行為だと分かります。
一回くらい大丈夫と思った行為が後で健康な歯を失うことにもつながりかねません。
よごれやヤニで悩んだ場合は歯医者に行きましょ!